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Fusion360のスケッチの印刷の仕方 [紙飛行機]

出来上がったスケッチは、Autodeskで出しているDWG TrueViewerというアプリでケント紙に印刷ができます。AutoDeskのDWG TrueViewerは、無償です。

1)Fusion360のスケッチ機能で、図面を描く
- スケッチをDXFにして出力できるので、そのDXFファイルを利用
- 出力されたDXFをAutoDeskのDWG TrueViewer(無償)でケント紙に印刷する。
2)DWG TrueViewerでの印刷の仕方
- 紙の向きを間違えない。長手方向の強度が強くなっているのでその方向を使うように図面を書く
- 印刷尺度等を下記の様に設定する

DWG印刷.JPG
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Fusion360で設計する手順 [紙飛行機]

■ スケッチを描く
- 基本の形を書く。
- コピー/移動コマンドで、それをコピーし、その形を元に加工して他の部品も作る
- 他の部品を作るとき、部品間の距離は十分に開けて作ってよい。最後にA4サイズに収まるように部品の配置を再度行うことになるので。
- 補助線とかは必要なもの以外は消したほうが面積を求めるときに簡単になる。
- 最初に片面側の部品だけを作る。片面の部品が全部揃ったら、ミラーリングすることにより、もう片側の部品が一度に作れる。
- 紙にどう印刷するか考えて設計する。紙は縦目、横目があり、縦横の強度が違う。縦目の紙の場合、胴体が紙の長手方向になるように、翼長が紙の長手方向になることを想定する。(最後にA4 の紙に収まるように部品の配置を行う際に考慮してもよいが、最初から縦目、横目を意識してレイアウトすると楽。)
設計手順胴体.jpg設計手順翼.jpg


■ 各部品を立体化する
1)胴体の構成部品の立体化
- 各部品を使用するケント紙の厚み(例えば、0.22mm、0.26mm等)で立体化する。
- 押し出しの機能で立体化する。押し出しの方向は、あとで立体化したパーツを組み合わせて実機化するときに組み合わせやすい方向を考えて押し出す。
- 立体化した各部品を組み合わせて、1つのボディにする。胴体の部品はFusion360の位置合わせの機能で、点を合わせて面が接するように位置合わせを行うと、胴体の積層化が楽にできる。
2)主翼、水平尾翼の立体化
- 同様に主翼、水平尾翼を立体化して、胴体と結合する。
- 機体全部の重心を求めるため、胴体、主翼、水平尾翼を1体化したボディと、主翼だけのボディ、水平尾翼だけのボディ、主翼片翼だけのボディを別に立体化しておいたほうが良い。
主翼だけ、水平尾翼だけのボディは、KHを求める際の、ℓH :主翼と水平尾翼の空力中心の間隔 を計測するために必要になる。また、主翼片翼だけのボディは、 tM:主翼の空力平均翼弦長 を計測するために必要になる。
- 下図は、胴体、主翼、水平尾翼を1体化したボディ
重心位置.jpg

■ 部品から特徴値を抽出する
1)面積
- Fusion360の検証のメニューで、スケッチ上の各部品の閉曲面の面積を算出する
全部のパーツの面積が求まると、ケント紙の重量(g/㎡)を元に完成機体の重量が推測できる
主翼の面積、水平尾翼の面積が求まると、推定重量と翼面積の合計から翼荷重が算出できる
2)ℓH :主翼と水平尾翼の空力中心の間隔 を求める
- 全部品を 1体化したボディの主翼位置、水平尾翼位置に重なるように、主翼だけのボディ、水平尾翼だけのボディを配置する。
- 主翼の重心、水平尾翼の重心をそれぞれ求め、その間隔を測定することにより、ℓH :主翼と水平尾翼の空力中心の間隔が計測できる。
主翼と水平尾翼の空力中心.jpg

3)tM :主翼の空力平均翼弦長 を求める
主翼片翼だけのボディから、主翼の空力平均翼弦長 を求める。
平均翼弦長空力.jpg

4)水平尾翼容積比 KH を求める。
算出を簡単にするために、Excelの表を作ってみた。
- 表の白色のセル部分に、面積、紙の重量、主翼と水平尾翼の空力中心の間隔、主翼の空力平均翼弦長 を入力してやると、水平尾翼容積比 KH  が算出できる。
仕様計算表.jpg

- KH の値によって、機体重心が主翼のどの位置なると良いかが変わるわけなので(二宮チャートから)、必ずしも KH = 1.2 にならなくてもよいが、値が小さいと安定度が下がるのでなるべく KH = 1.2 に近づけるようにする。
- 水平尾翼の取り付け位置を後方にする、水平尾翼面積を増やす(スケッチに戻って水平尾翼を大きくする)というのが、比較的簡単にKH を大きくする方法である。次に簡単なのは主翼の形状を変える(アスペクト比の大きな細長い主翼にする)と、tM :主翼の空力平均翼弦長 が小さくなって、KH が大きくなる。
- 次項にも関係するが、主翼の位置を動かすと、ℓH :主翼と水平尾翼の空力中心の間隔 も変わるので再度、 KH の値を算出する必要がある。

■ 機体重心から主翼位置を調整する
- 概ね、 KH = 1.2 近くの値が確保できたら、主翼の位置を再調整する。
- 二宮チャート(水平尾翼容積比とCG(重心位置)との関係を示すチャート)を元に、機体重心の主翼における来るべき位置を求める。チャートから、KH = 1.06 の場合、80%が求められるので、重心位置は主翼前縁から80%の位置になるように、主翼位置を調整する。
- 最終的な位置で、もう一度前出のExcelチャートの値を算出しなおすことを、何回か繰り返す。
重心位置.jpg

- 主翼位置が最終的に決まったら、その位置をスケッチの部品図に反映して、主翼の取り付け用のタブを追加する。
主翼タブ追加.JPG

■ A4の紙に収まるように、パーツの配置を行う
- 胴体、翼の部品のスケッチを別のスケッチ上にコピーして、A4の用紙サイズに収まるように、配置しなおす。
- 下記の例では、胴体部品が全部1枚には入りきらなかったので、翼の部品と入れ替えてA4の用紙2枚に入るように配置しなおしている。
- 紙の目(縦目、T目)を意識して、部品の長手方向が、紙の目にそろうよう配置する。
下記の例では、1枚目は縦目の用紙を横向きに使って印刷するように、2枚目は縦目の用紙を縦に使って印刷することを想定して配置している。
各パーツ図1.jpg
2各パーツ図.jpg

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紙について [紙飛行機]

1)紙の縦目、横目と、部品の配置の関係

- 紙には繊維の向きがあって、縦と横で強度が違います。
紙の目.JPG

- 繊維が長辺方向の紙を縦目(T目)、直角方向の紙を横目(Y目)といいます。
縦目横目.JPG

- 使用している紙が縦目の場合は、長手方向に紙飛行機の各パーツが配置されるようにします。
部品配置.jpg

2)ケント紙の厚み、重量
- 私が使っているケント紙は、
厚み 0.22mm 重量209.4 g/㎡  東急ハンズで売っていたもの
厚み 0.26mm 重量233 g/㎡   コクヨ セ-KP39
- コクヨ セ-KP39 の仕様、包装紙にはそのような記載がありませんが、実物を見てみると縦目になっていると思われます。最近はこれを使用することが多いです。

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紙飛行機の設計の時の基本 [紙飛行機]

設計をするにあたって、基本に立ち返って二宮さんの文献を探して読みました。目からうろこのことがたくさんありました。私が参考にした資料は、ここ。

http://www.aero.or.jp/web-koku-to-bunka/2015-02/2015-02.html
日本で生まれ育った高性能紙飛行機 日本紙飛行機協会会長 二宮康明

目からうろこだったのは、
1)滞空競技用の紙飛行機の重心位置は、主翼前縁から85%くらいの位置におく
- ラジコン飛行機や実機の重心位置は主翼前縁から25%くらいの位置におくというのを幼少のころにラジコンの雑誌で読んでいてそう思い込んでいたのですが、なんと滞空競技用の紙飛行機の重心位置は85%くらいにおくということでした。
- 主翼前縁から25%くらいの位置におくのは、飛行速度に応じて水平尾翼で調整をとれる実物機やラジコン飛行機の場合らしいです。滞空競技用の紙飛行機の場合は発進から定常滑空速度の速度変化が大きく、その間、水平尾翼取り付け角度調整なしで安定した飛行をさせる為に、85%くらいに置くと良いということです。
今までなんと間違ったことを思い込んでいたのか、道理であとから機首に重りをつけないと改善しなかったのか思い知らされました。

2)縦方向の安定性を得るため、主翼面積、水平尾翼面積、主翼と水平尾翼の間隔に一定の法則がある。
- 水平尾翼容積比 KH というのがあって、水平尾翼容積比は、縦方向の安定性を示す指標で、滞空競技用の紙飛行機の場合 KH を KH=1.2 に設定すると良いということだそうです。

式.jpg

SH :水平尾翼面積
ℓH :主翼と水平尾翼の空力中心の間隔(モーメントアーム ℓH)
SM :主翼の面積
tM :主翼の空力平均翼弦長

- この値が小さいと縦方向の安定性を欠くことになります。通常の実物機はKH=0.6くらいなので、滞空競技用の紙飛行機の場合のKH=1.2というのは相当に大きい値になります。
-  KHを大きくする、つまり縦方向の安定性を良くする為には、翼面荷重を同じにするために主翼の面積は変えないでおくとすると、
上記の式から、
・水平尾翼面積を大きくしたほうが有利
・主翼と水平尾翼の空力中心の間隔を広くしたほうが有利。(水平尾翼をなるだけ後ろにつける)
・主翼の翼弦長を小さくしたほうが有利。(主翼面積が同じなら主翼は細長い形状のほうが有利)
ということになります。

3)あとは、二宮さんの導き出したとポイントと、私が二宮機を参考に見当をつけたポイントとして、
- 水平尾翼の取り付け角 0度 (胴体中心線に対して、水平尾翼角度0度)
- 主翼の取り付け角 0.5度
- 機体総重量 10~12gくらい(A4の紙2枚から切り出せる機体の大きさを目安した参考値)
- 翼面積の目安 155㎠くらい(A4の紙2枚から切り出せる機体の大きさを目安した参考値)
- 翼面荷重の目安 0.07g/㎠ (主翼面積+水平尾翼面積で。滑空機の場合尾翼も揚力を発生するので)
加えて前述の内容、
- 水平尾翼容積比 KH=1.2 近辺になるようにする
- そのために、水平尾翼の面積を大きめにし、できるだけ機体の後ろにつける構造にする
- 算出されたKHの値を二宮チャートから読み取りをして、空力平均翼弦MACの85%の位置に機体全体の中心を合わせる。
(合っていない場合、主翼位置をずらして一致するようにするのですが、主翼を移動しては全重心を求めるという作業をCAD上で何回か行って追い込んでいく必要があります)

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ここでいう紙飛行機とは [紙飛行機]

機体.jpg

紙飛行機といっても千差万別で、本来は、大きさ、材料、形状など、本当に自由に設計してもよいはずなのでありますが、ここでは『よく飛ぶ紙飛行機』で有名な二宮康明さんの作られる範疇の飛行機を考えます。

1)材質はとりあえずケント紙とします。
- 他の材料を使うことも考えられますが、入手のしやすさ、価格、加工のしやすさ、形を素材に印刷するのにインクジェットプリンタを使える容易さ、などからケント紙を使います。
- ケント紙でなくて、他の画用紙などでもよいように思われますが、紙の強度が必要なのである程度の密度のある(つまり g/㎡ の値が大きい)ケント紙を使用するものとしてしまいます。
2)大きさ
- A4、B4など定型の紙であれば同等に入手性は確保できますが、その中でも普通の家庭用のインクジェットプリンタで印刷できることを考えて、A4のケント紙から切り出すことを考えます。
- A4サイズが、297x210mmであるので、翼長が最大290mm くらいの機体がMAXの大きさになると思われます。つないでもっと大きくできることは考えられますが、大きくすると強度を増さなければならないので、ここではA4のケント紙2枚程度で作れるものを対象としています。

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Fusion360で紙飛行機を設計するメリット [紙飛行機]

重心位置.jpg

Fusion360で紙飛行機を設計するメリットは以下の点になります。

1)閉曲線の面積が求められる。
- 曲線を多用した形状でも、Fusion360で閉曲線の面積を算出できるので、紙飛行機を構成するすべての紙のパーツの面積が求められると、ケント紙の重量(g/㎡)を元に完成機体の総重量が推定できる。
- さらに、主翼の面積、水平尾翼の面積が求まると、翼面積の合計から翼面荷重が算出できる。
- 総重量と翼面荷重の値から飛ぶ機体になるかが推測できる。
2)3Dで立体化した部品から重心を求めることができる
- 紙飛行機を構成するすべての紙のパーツを組み合わせた状態の重心を算出することができる。つまり完成時の重心位置を推定できる。
3)翼の空力中心が求められる。
- 翼の重心が翼の空力中心になるので、主翼の空力中心と水平尾翼の空力中心との距離、主翼面積、水平尾翼面積、主翼翼弦長から、二宮さんの経験から求められたグラフより、機体の重心を主翼のどの位置に合わせればよいか推定できる。つまり主翼の取り付け位置が推定できる。
- 前出の機体全部の重心を上記の位置と合わせることにより、主翼の取り付け位置を求めることができる。

これで、設計時点でよく飛ぶかの予想ができ、出来上がった後に重りを付けたり、主翼の前後位置を変更するなんていうことなく、一発で確実に飛ぶ機体が設計できる目途が立ちます。

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紙飛行機の自作 はじめに [紙飛行機]

紙飛行機.jpg

二宮康明さんをご存知でしょうか。名前は知らなくても例えば雑誌『子供の科学』の折り込みでこういう紙飛行機を作って飛ばしたという方は、たくさんおられるのではないでしょうか。
私自身、子供の頃このような飛行機を50機くらいは作って飛ばしておりました。二宮さんの本を切り抜いて作る分には本当によく飛ぶけれど、自分でまねてオリジナルで作ると、ピッチングしたりダイブしたりしてうまく飛ぶことが少なかったように思います。
オリジナル機が飛ばなかった原因はたくさんあると思われますが、その中で特に難しいのは2つの項目でした。
一つは、主翼の前縁から『ある位置』に機体全体の重心を合わせれば、安定して飛行するようにできるはずなのですが、どこが機体全体の重心になるかは、設計時点では簡単にはわからないということでした。主翼位置は構造上固定になるので設計時に重心を想像して主翼位置を決め打ちにせざるを得ません。設計時に予想した重心位置に一発で合うことはほとんどなく、組み立てて飛ばしてみて例えばピッチングする場合、機首に重りをつけて重心を前にもってきてピッチングしないように後から調整をしていたのですが、重りをつけたために結局機体重量が重くなって滞空時間が短くなってしまうというようなことがよくありました。最初から重心位置を最良の位置に設計できればどんなに良いだろうかと子供心に思ったものでした。
もう一つは、主翼、水平尾翼をどのような大きさや形にしたらよいかというものでした。二宮さんの紙飛行機だとスーっと滑空してくれるのに、自分で作ったものは安定性が足りないように見えます。縦の安定性が悪い原因は水平尾翼の面積が足りないだろうと想像していましたが、どのくらいの大きさにすれば安定するのか、他に縦の安定性に寄与する要素は何なのか、よくわかっていませんでした。さらに翼型についてもジレンマがあって、簡単な翼型(例えば台形)であれば、面積や重心を求めるのは比較的単純ですが、実際は主翼も尾翼もかっこよい翼型にしたい訳で、曲線を多用した翼型にすると翼面積が簡単には求められないという矛盾をもっていました。さらに機体重量に対して翼面積が小さいと、翼面荷重が増えて滑空時間が短くなるのはわかっているのですが、実際どのくらいの翼面荷重であればよいのか。さらには翼面積を簡単に求められないのでかっこいい翼型にしたくても、単純な台形の翼型にせざるを得ないという点もありました。

近年、仕事で3D CADのFusion360を使っていて、閉曲面の面積が一発で求めることができたり、部品の重心が1発で求めることができたりするのを知り、さらに二宮さんの書かれた記事を見て重心位置を決める方法を知り、Fusion360で紙飛行機を設計したら最良の設計ができるのではないかと思ったのがこの記事を書くきっかけになっています。

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