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紙飛行機の自作 はじめに [紙飛行機]

紙飛行機.jpg

二宮康明さんをご存知でしょうか。名前は知らなくても例えば雑誌『子供の科学』の折り込みでこういう紙飛行機を作って飛ばしたという方は、たくさんおられるのではないでしょうか。
私自身、子供の頃このような飛行機を50機くらいは作って飛ばしておりました。二宮さんの本を切り抜いて作る分には本当によく飛ぶけれど、自分でまねてオリジナルで作ると、ピッチングしたりダイブしたりしてうまく飛ぶことが少なかったように思います。
オリジナル機が飛ばなかった原因はたくさんあると思われますが、その中で特に難しいのは2つの項目でした。
一つは、主翼の前縁から『ある位置』に機体全体の重心を合わせれば、安定して飛行するようにできるはずなのですが、どこが機体全体の重心になるかは、設計時点では簡単にはわからないということでした。主翼位置は構造上固定になるので設計時に重心を想像して主翼位置を決め打ちにせざるを得ません。設計時に予想した重心位置に一発で合うことはほとんどなく、組み立てて飛ばしてみて例えばピッチングする場合、機首に重りをつけて重心を前にもってきてピッチングしないように後から調整をしていたのですが、重りをつけたために結局機体重量が重くなって滞空時間が短くなってしまうというようなことがよくありました。最初から重心位置を最良の位置に設計できればどんなに良いだろうかと子供心に思ったものでした。
もう一つは、主翼、水平尾翼をどのような大きさや形にしたらよいかというものでした。二宮さんの紙飛行機だとスーっと滑空してくれるのに、自分で作ったものは安定性が足りないように見えます。縦の安定性が悪い原因は水平尾翼の面積が足りないだろうと想像していましたが、どのくらいの大きさにすれば安定するのか、他に縦の安定性に寄与する要素は何なのか、よくわかっていませんでした。さらに翼型についてもジレンマがあって、簡単な翼型(例えば台形)であれば、面積や重心を求めるのは比較的単純ですが、実際は主翼も尾翼もかっこよい翼型にしたい訳で、曲線を多用した翼型にすると翼面積が簡単には求められないという矛盾をもっていました。さらに機体重量に対して翼面積が小さいと、翼面荷重が増えて滑空時間が短くなるのはわかっているのですが、実際どのくらいの翼面荷重であればよいのか。さらには翼面積を簡単に求められないのでかっこいい翼型にしたくても、単純な台形の翼型にせざるを得ないという点もありました。

近年、仕事で3D CADのFusion360を使っていて、閉曲面の面積が一発で求めることができたり、部品の重心が1発で求めることができたりするのを知り、さらに二宮さんの書かれた記事を見て重心位置を決める方法を知り、Fusion360で紙飛行機を設計したら最良の設計ができるのではないかと思ったのがこの記事を書くきっかけになっています。

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コメント 2

384

二宮康明さんは私の小学校時代のヒーローです。
氏の「よく飛ぶ紙飛行機」は何冊も買いましたし、「子供の科学」も毎号二宮さんの飛行機を楽しみにしていました。
設計の極意のような解説も読んで自分でも設計してみたこともあります。
小学校の授業中に設計していて、思わず計算ができたときに「できた!」と大声で叫んでしまってみんなが振り返ってしまいバツが悪かったのを思い出します。(そしてやはり自分の設計ではたいして飛ばなかったです、、、)

先日も1機作りました。相変わらずシンプルでよく飛ぶ飛行機でした。
Fusion 360 で設計なんてすごい時代ですよね。素晴らしい hobby ですよね!
by 384 (2020-05-11 00:06) 

Hiroshi

どうもありがとうございます。男もすなるブログなるものを、してみむとてするなり、でほんとに備忘録のつもりで初めて書いたものですから、コメントを頂けるとは予想だにしておりませんでした。
閉曲面の面積が一発で求めることができたり、部品の重心が1発で求めることができたりする3D CADが無償でも使えるなんていい時代になったものだと思います。連休中にずっと籠ってオリジナルで3機を作りましたが、どれも室内で試験する限りは、スーッと気持ちよく飛びます。目星をつけている公園の駐車場がコロナで閉鎖になっているのでまだ大空で飛ばせていませんが心待ちにしています。
by Hiroshi (2020-05-13 15:18) 

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