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紙飛行機の設計の時の基本 [紙飛行機]

設計をするにあたって、基本に立ち返って二宮さんの文献を探して読みました。目からうろこのことがたくさんありました。私が参考にした資料は、ここ。

http://www.aero.or.jp/web-koku-to-bunka/2015-02/2015-02.html
日本で生まれ育った高性能紙飛行機 日本紙飛行機協会会長 二宮康明

目からうろこだったのは、
1)滞空競技用の紙飛行機の重心位置は、主翼前縁から85%くらいの位置におく
- ラジコン飛行機や実機の重心位置は主翼前縁から25%くらいの位置におくというのを幼少のころにラジコンの雑誌で読んでいてそう思い込んでいたのですが、なんと滞空競技用の紙飛行機の重心位置は85%くらいにおくということでした。
- 主翼前縁から25%くらいの位置におくのは、飛行速度に応じて水平尾翼で調整をとれる実物機やラジコン飛行機の場合らしいです。滞空競技用の紙飛行機の場合は発進から定常滑空速度の速度変化が大きく、その間、水平尾翼取り付け角度調整なしで安定した飛行をさせる為に、85%くらいに置くと良いということです。
今までなんと間違ったことを思い込んでいたのか、道理であとから機首に重りをつけないと改善しなかったのか思い知らされました。

2)縦方向の安定性を得るため、主翼面積、水平尾翼面積、主翼と水平尾翼の間隔に一定の法則がある。
- 水平尾翼容積比 KH というのがあって、水平尾翼容積比は、縦方向の安定性を示す指標で、滞空競技用の紙飛行機の場合 KH を KH=1.2 に設定すると良いということだそうです。

式.jpg

SH :水平尾翼面積
ℓH :主翼と水平尾翼の空力中心の間隔(モーメントアーム ℓH)
SM :主翼の面積
tM :主翼の空力平均翼弦長

- この値が小さいと縦方向の安定性を欠くことになります。通常の実物機はKH=0.6くらいなので、滞空競技用の紙飛行機の場合のKH=1.2というのは相当に大きい値になります。
-  KHを大きくする、つまり縦方向の安定性を良くする為には、翼面荷重を同じにするために主翼の面積は変えないでおくとすると、
上記の式から、
・水平尾翼面積を大きくしたほうが有利
・主翼と水平尾翼の空力中心の間隔を広くしたほうが有利。(水平尾翼をなるだけ後ろにつける)
・主翼の翼弦長を小さくしたほうが有利。(主翼面積が同じなら主翼は細長い形状のほうが有利)
ということになります。

3)あとは、二宮さんの導き出したとポイントと、私が二宮機を参考に見当をつけたポイントとして、
- 水平尾翼の取り付け角 0度 (胴体中心線に対して、水平尾翼角度0度)
- 主翼の取り付け角 0.5度
- 機体総重量 10~12gくらい(A4の紙2枚から切り出せる機体の大きさを目安した参考値)
- 翼面積の目安 155㎠くらい(A4の紙2枚から切り出せる機体の大きさを目安した参考値)
- 翼面荷重の目安 0.07g/㎠ (主翼面積+水平尾翼面積で。滑空機の場合尾翼も揚力を発生するので)
加えて前述の内容、
- 水平尾翼容積比 KH=1.2 近辺になるようにする
- そのために、水平尾翼の面積を大きめにし、できるだけ機体の後ろにつける構造にする
- 算出されたKHの値を二宮チャートから読み取りをして、空力平均翼弦MACの85%の位置に機体全体の中心を合わせる。
(合っていない場合、主翼位置をずらして一致するようにするのですが、主翼を移動しては全重心を求めるという作業をCAD上で何回か行って追い込んでいく必要があります)

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